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ニトウブログ
オリンピック後の不動産投資をどう捉えるか
東京で2020年に開催されるオリンピック・パラリンピックまで残すところ一年を切り、関連した様々な話題が取り上げられることも多くなってきました。
湾岸エリアの晴海には、選手村が建設されますが、まさに急ピッチで作業が進められています。
これは、東京都が施工する都市開発事業で民間事業者が整備したマンションを、オリンピックの期間中一時的に借り上げて選手村とする計画になっています。
オリンピック後に住宅棟はリノベーションされ、新たに建設される50階建てのタワーマンションとともに一般に販売される予定です。
すでにそのモデルルームも公開されていますが、販売センターでは予約が埋まってしまうなど人気を呼んでいるようです。
東京の不動産価格は上昇の一途をたどっていて、下がるのではないかと言われたタイミングでも、結局下がることなく上がり続けており、いまだに住宅需要が高く推移していることがうかがえます。
一極集中を解消すべく中央省庁などでは地方移転をすすめようとしていましたが、決まっているのは文化庁の京都移転以外に結果は出ていない状況では、民間企業の本社機能移転もまた然り。
子育て支援や移住の推進など、魅力的な施策で人口減少を劇的に食い止め、逆に増加に転じた自治体も中にはありますが、全国的に見ればほんの少数に留まっているのが現状です。
人口流入に歯止めがかからない東京は、2020年に迫った東京オリンピックなども相まって、さらに不動産価格も上昇の一途をたどっています。
高値が続く不動産価格は東京オリンピックが要因?
公示地価の価格で見ると、2012年の住宅地の地価は、1平方メートル当たりの平均価格が33万4,500円、商業地は同167万6,300円でした。
2018年の住宅地の地価は、1平方メートル当たりの平均価格が41万5,200円、商業地は同251万2,600円と発表されています。
比較すれば一目瞭然ですが、住宅地、商業地ともに上昇しています。
この傾向は中古マンションでも似たような推移を見せています。
東京の不動産価格は高めに推移していることもあり、バブル状態であるとか、2020年の東京オリンピック後には価格が暴落するに違いないなどというのも、よく聞く話だと思います。
不動産投資をはじめてみたいと思っていても、こういった話が耳に入ってくると、特にビギナーであれば、不安が先立ってしまうことでしょう。
将来への不安を解消するためにも、できれば今すぐに不動産投資をはじめたいと思っていたけれど、東京オリンピック後に地価がどう動くかわかるまでちょっと待とうと思われた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、比較的低いリスクで運用できるとはいえ、不動産投資も投資である以上は、自分である程度は情報収集をしたり、その情報が正しいものが確かめたうえで判断する必要があるでしょう。
オリンピック後に不動産市場が暴落するというのであれば、過去に開催した国の不動産価格の動向はどうなっているのでしょうか。 オリンピックの開催地が経済規模の小さい国や新興国だった場合には、開催前後で景気の上下動が起こり、それが不動産価格とも連動していたようです。 東京の場合と近い条件を探してみると、2012年の、先進国であるイギリス・ロンドンで開催されたロンドンオリンピックが思い浮かびます。 開催地の条件が近いロンドンオリンピックを念頭に置いて考えると、オリンピックに絡んだ大規模な再開発とインフラなどの再整備は、東京のオリンピック後の不動産価格の推移を考える時に良いモデルケースとなります。 これまでの人口流入数と不動産物件の需要と供給のバランスを考えても、東京の不動産価格が下降に向かうことは考えづらい状況です。 不動産の価格の上下が全く影響しないとはいえないかもしれませんが、この長期にわたって安定した収益をあげるというところが、不動産投資が比較的少ないリスクで可能な投資だといわれる所以です。 投資用の不動産賃貸物件の場合は、借り手がいてこそ運用が可能になります。
オリンピック後の各国の事情はどうか?
確かに、中にはオリンピック開催の前後で景気の乱高下が起こった結果、不動産価格も同じような動きを示した例が無いわけではありません。
ただ、それが全ての国に起こるわけでは無いのです。
しかし、オリンピックが先進国などの経済規模が大きく成長したような国で開催された場合は、その前後で景気の変動や、それと連動したような不動産価格の上下はみられなかったといわれています。
ロンドンオリンピック後、ロンドンの不動産価格はどうなったのでしょう。
すでにイギリス政府が、ロンドン五輪が不動産市場に与えた影響はなかったという趣旨のレポートをまとめています。
また、イギリス国家統計局(Office for National Statistics)が公表しているデータでは、ロンドンのオリンピック後の不動産価格は、今でも上昇を続けています。
ロンドンの不動産価格の上昇は、オリンピックのために再開発が行われ、都市機能の整備が一層進んだことから利便性が向上したり、エリアの魅力が高まった結果だといえるでしょう。
この構図は今の東京の状況とも重なる部分が多いようにも思えます。価格が下落しても不動産投資で利益を得る仕組み自体は変わらない
また、不動産投資の場合は、短期的な売買を重ねて利益を得るよりも、賃貸物件のオーナーとして家賃収入による安定した運用益をあげていくのが基本的な考え方です。
東京への国内外からの人口流入は減ることがなく、従って常に借り手がいる状態なので空室リスクも比較的低く、安定した資産運用が可能なことが見込めます。
また、もしロンドンのように不動産価格が上昇し続けるならば、タイミングを見て売却するという考え方も成り立つでしょう。
投資ですからリスクを全く考えないのはどうかと思いますが、リスクのことばかり考えていても不動産投資は進められません。
専門家の意見も取り入れつつ、自分の判断で不動産投資をはじめてみることをおすすめします。
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