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ニトウブログ
不動産投資におけるサブリース契約のこと
今投資先として人気なのが、比較的リスクの低い不動産だといわれています。
これから不動産投資をはじめようとして、色々と勉強なさっている方も多いことでしょう。
そうすると今まで馴染みのなかった色々なワードと接することになるかと思います。
その中の1つに「サブリース契約」というものがあるのではないでしょうか。
様々なニュースや情報番組などでも取り上げられており、あまり良い印象を持たれていない方がいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、サブリース契約に関してのメリットやデメリットをお伝えして参りましょう。
サブリース契約とは
一括借り上げ管理契約と呼ばれるものが、サブリース契約です。
これは、オーナーから不動産管理会社が投資物件を借り上げ、その管理会社が入居者と直接賃貸契約を結ぶ形式を指します。
大雑把にいうと、転貸借、いわゆる又貸しをする契約と言えるでしょう。
この契約をすると、たとえ投資用不動産に実際は入居者が居なくても、オーナーには契約した不動産管理会社から毎月、あるいは毎年、一定した賃貸料が入ることになります。
入居者からの賃貸料がそのままオーナーに入るわけではなく、契約の中で結ばれた手数料などを引かれたあとの状態だと考えれば、わかりやすいかもしれません。
サブリース契約のメリットとは
投資用の不動産物件のオーナーとなり、それを賃貸物件として、いわば大家さん業をして行くのが一般的な不動産投資です。
個人で賃貸物件のオーナーとなれば、様々な悩みも出てくるもの。
その主なものは、建物や室内設備等の維持管理、家賃回収や滞納対応、空室をどう解消していくかなど、様々なものが考えられます。
それを解消できるのが、サブリース契約です。
投資用不動産の管理業務を一括して任せられる
サブリース契約を不動産管理会社と結ぶことで、物件の入居者募集や管理などを、一括して任せられるようになります。
この場合、サブリース会社が入居者と直接賃貸契約を交わすことになるので、入居以降のやり取り、例えば入居者とのトラブルなどがあっても、オーナーが出ていく必要はありません。
投資物件の運用をしていく上では、この、入居者対応が面倒なことも多いので、この点では大きなメリットがあるといえるでしょう。
空室リスクや滞納リスクを避けられる
賃貸物件を運用していく上での最大のリスクがなにかといえば、入居者が居ない状態の空室です。
投資用の物件を購入する際には、金融機関から融資を受け、入居者からの賃貸料でその返還をしていくのですから、空室になってしまえばその間の収入はゼロになってしまいます。
これが空室リスクと呼ばれる、不動産投資においては最も避けたい事態なのです。
しかし、、サブリース契約を結んでしまえば、空室が出ている間も管理会社と契約した金額で賃料収益を得られるのです。
家賃滞納があった場合にも、対応するのは管理会社となるので、オーナーは一切関わり合いにならなくても済み、そのうえ空室が出た場合と同じく、一定の賃料収益を得ることができます。
相続税対策にも◎
相続の際の不動産評価額は、賃貸にしていれば、そうでない場合よりも低く設定されます。
評価額が下がれば、資産への税額も低くなるということになります。
サブリース契約を結んでいれば、管理会社に貸していることになりますから、その点で相続税対策にはメリットが生まれるというわけです。
確定申告を簡素化できる
不動産投資をすれば確定申告が必須になります。
会社勤めの方などは、確定申告と聞いただけで面倒になってしまうかもしれませんね。
しかし、サブリース契約した場合には毎月の収益額が一定になるので、申告書の記入が簡単にはなります。
サブリース契約のデメリットとは
礼金や更新料が入ってこないなど、収益性が最大化できない
サブリース契約した場合の貸主は管理会社となりますので、敷金や礼金、更新料はすべてサブリースを受託した管理会社に入ります。
入居者管理や空室、滞納リスクなどを一括して請け負い、退去者が出たあとの修繕なども行いますから、これは当然といえるでしょう。
オーナーが家賃を決めづらく、保証賃料減額のリスクもある
サブリース会社は一般的に、賃料の10%~20%程度を手数料として差し引き、残りの80%~90%をオーナー対するリース料として保証しています。
また、不動産経営で最も避けなければならないのは空室リスクですから、管理会社はできるだけ空室率を下げようと考えます。
つまり、入居者が入りやすくするために、周辺相場よりも低めの家賃設定をされてしまう可能性もあるのです。
また、保証賃料の見直しは2年ごとの更新時に行われ、空室率や周辺相場に応じて下げたい旨の申し出があることも考えられます。
入居者を選べない
サブリース契約をした場合は、管理会社が入居者募集や賃貸契約を行います。
入居者を探さなくても良いということは、当然、自分で選べないということです。
空室リスクを減らす目的で、モラルの怪しい人やトラブルを抱えている人に貸してしまうこともあるでしょう。
また、近年は個人情報の管理などに厳格さを求められることもあり、どのような入居者であるのかさえ知らされないこともあるようです。
契約を結ぶ前に、少なくとも以下のポイントは把握しておく
サブリース契約をしている会社は多くが存在しているので、以下のポイントは最低限チェックしておきたいものです。
訴訟を抱えていたりしないか
名の知れた会社だったとしても、大きな問題や訴訟を抱えている場合は、避けるのが無難です。
きちんとした実績があるか
今までどの程度の契約を結んでいるのか、例えば賃料の見直しをしたケースの話を訊いてみるなどして、実績の確認をしてみてください。
会社が倒産してしまえば保証もなくなってしまうので、経営の状態を知ることも必要です。
保証賃料の設定は妥当なものなのか
周辺相場より高めであれば、契約更新の際に大幅な見直しをせまられることも考えられます。
リフォームなどの費用について
退去者が出た際の原状回復費や、大規模修繕が必要になった場合の費用がどうなっているのかオーナーが知らなければ、トラブルの原因になってしまいます。
突然高額な費用が発生することもありますが、きちんと情報を出してくれる会社なら問題無いでしょう。
解約する際の条件
オーナー側が何らかの事情で物件を手放す必要が出てきたり、反対に管理会社から中途解約の申し出がされる場合もあります。
違約金が発生するのか、更新時など解約可能なタイミングがあるのかなどの確認が必要です。
免責期間
空室が出てから新たな入居者が実際に入居するまでには、ある程度の期間が必要になります。
その一定期間はオーナーに家賃保証をしないというのが、免責期間です。
この免責期間の有無と、有る場合の期間がどれくらいなのかは、必ず把握しておきましょう。
このように、メリットは大きいものの、それが転じてデメリットになる部分もあるのがサブリース契約です。
大きなトラブルになってしまったケースもありますから、安易に「サブリース契約をしているから安心だ」という理由ではなく、きちんと投資する価値のある物件を自ら選ぶことが大切です。
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