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ニトウブログ
不動産投資は住民税の節税に有効?
不動産投資は節税になると耳にしたことがある方がいらっしゃるかもしれません。
そこから不動産投資に興味を持ち、投資をはじめてみようかと考えている方もおられるのではないでしょうか。
ここではその中でも重要な、住民税を取り上げていきましょう。
住民税とは
都道府県や市区町村が住民に対して行う行政サービスに対して、分担して納める税金が、住民税です。
このため国に納める所得税とは異なり、自分が住んでいる自治体に納付することから、市で定めた条例などによって税率に差が生じることもあるようです。
住民税の算出方法
住民税はその人の所得に応じて、各自治体が税額を計算します。
納税者が所得税の確定申告を提出すると、税務署から納税者の居住地である各自治体にデータが送られ、そこで住民税額が算出されて、納税者の元に通知書が送られてきます。
この時の居住地というのはその年の1月1日時点でのものとされ、1月2日に転居したとしても、その年の税金は1月1日に居住していた市町村に納めることになります。
この場合、居住しているというのは、住民票の住所地を指していますから、実際どこに住んでいるかというよりも、住民票をどこに置いているかということになります。
住民税の内訳は、前年の1月から12月までの所得に応じて税額が決まる「所得割」と、所得金額に関わらず、定められた額で一律に課される「均等割」があり、それら2つを合算して納めています。
この時の所得割というものは、当然といえばそうですが、確定している前年の所得額に対して計算されます。
こうした仕組みであることから、住民税は「毎年6月から翌年5月を一年度」とされています。
なお、サラリーマンの場合は、会社側で年末調整がされていますが、この場合も会社側の作業を通じて、同じことが行われています。
この時、会社側は特別徴収義務者となり、給与から天引きした税額を取りまとめて納付をしています。
これが特別徴収と呼ばれるものです。
自営業者であれば、確定申告で税額が決定されてそれを納めることになり、こちらは普通徴収と呼んでいます。
この、前年の所得に対して課税されるというところが住民税のポイントで、前年の高かった所得に対して算出された高額な税金を、翌年所得が下がったとしても納めなくてはなりません。
収入が一定ではない自由業などでは起こりうるケースなので、後々のこともしっかり考えておくことが必要です。
サラリーマンは普通徴収を選べない?
不動産投資をしているサラリーマンの方で、会社に投資をしていることを知られたくないという方がおられるかもしれません。
会社員だと住民税を特別徴収されているので、その額が変動すれば何か他の仕事で利益を得ているのではないかと、会社側に気づかれてしまう可能性はあります。
確定申告では、「住民税に関する事項」にある項目の住民税のうち、不動産所得に係る部分だけ普通徴収によって納税することを選択することができるので、そういった場合には自分で納付するようにすれば、会社に通知はされません。
不動産投資は結果として節税になる?
まず住民税についてご説明してきたのは、これが不動産投資は節税になるといわれていることと深く繋がりがあるからです。
不動産所得は総合課税の対象となる
税金には各種の所得金額をひとまとめにして税額を計算する総合課税と、他の所得とは合算せず、別々に分けて税額を計算する分離課税とがあります。
総合課税の対象になる所得区分は決められていて、不動産所得、事業所得、給与所得などがそれにあたります。
分離課税は、退職所得、山林所得、株式や建物、土地などの譲渡所得が該当します。
また少し違った表現の仕方をするならば、総合課税は所得を合算したものに税率をかけ、分離課税は所得ごとに税率をかけるということになります。
不動産投資の赤字は他の所得と損益通算できる
損益通算とは、所得の赤字と黒字を相殺することを指します。
税制上、収入は性質ごと区分されていて、その区分ごとに課税の方法も異なります。
なぜかというと、配当であったり、給与であったりの収入の種類によって決められた算出方法で所得を決めるからです。
不動産に投資する場合、まず物件を購入しなければなりません。
管理が自分でできる状態でなければ、管理会社に管理を委託しなければなりませんし、購入した部屋をクリーニングしたり、設備を新しくしなければならないかもしれません。
不動産の投資はこのように投資をはじめた時期に費用が多くかかり、ともすれば家賃収入を経費が上回る事態になることも考えられます。
給与所得が500万円ある人が不動産投資をして、得られた収入が120万円、投資にかかった経費が200万円だったとします。
これを損益通算すると、給与所得500万と不動産投資の損失80万を通算した金額が所得となるので、サラリーマンの収入だけの時より80万円低い年収になったことになります。
このように、不動産投資の損失分を給与所得からマイナスできるので、結果として課税対象所得を減らすことができ、納める税額が減るというわけです。
この損益通算という仕組みがあるからこそ、不動産投資はサラリーマンに向いているといわれているのです。
所得税と節税の関係、いかがでしたでしょう。
比較的リスクが低い投資として、不動産投資をはじめてみようと考える方は多いようですが、さらに節税効果も期待できることから、興味を持たれる方も増えているようです。
しかし、いくら損益通算できるからといっても、税金は一年後に納める額が決まりますから、キャッシュフローなどもしっかり考えておくことが大切になります。
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