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ニトウブログ
公務員が副業で不動産投資をするには?
安定した職業として、人気があるのが公務員です。
公務員は副業が禁止されている職業だというのは誰もが知るところですが、一定の条件をクリアすれば、副業が認められることもあるのです。今回は、公務員が不動産投資をする際の注意点などをお伝えして参りましょう。
◆副業禁止規定に抵触しない要件がある
公務員であっても、一定の規模以下の不動産賃貸業であれば、副業禁止規定に抵触しないというルールがあります。
では、「一定の規模以下の不動産賃貸業」というのは、どの程度を指しているのでしょう。
これは人事院規則14-8の「(営利企業の役員等との兼業)の運用について」に、以下の記載があるのです。
不動産又は駐車場の賃貸 次のいずれかに該当する場合
(1)不動産の賃貸が次のいずれかに該当する場合
- イ 独立家屋の賃貸については、独立家屋の数が5棟以上であること。
- ロ 独立家屋以外の建物の賃貸については、貸与することができる独立的に区画された一の部分の数が10室以上であること。
- ハ 土地の賃貸については、賃貸契約の件数が10件以上であること。
- ニ 賃貸に係る不動産が劇場、映画館、ゴルフ練習場等の娯楽集会、遊技等のための設備を設けたものであること。
- ホ 賃貸に係る建物が旅館、ホテル等特定の業務の用に供するものであること。
(2)駐車場の賃貸が次のいずれかに該当する場合
- イ 建築物である駐車場又は機械設備を設けた駐車場であること。
- ロ 駐車台数が10台以上であること。
(3)不動産又は駐車場の賃貸に係る賃貸料収入の額(これらを併せて行っている場合には、これらの賃貸に係る賃貸料収入の額の合計額)が年額500万円以上である場合
公務員の副業が禁止されているのは、副業があることで本業が疎かになる恐れがあるから。
多岐に渡る不動産の管理を、本人が行ってしまうと本業に影響を及ぼす可能性があると判断されるようです。
上記のことから、不動産物件の管理は管理会社に委託する必要があります。
人事院規則14-8で定められている通り、公務員の不動産経営が認められるのは、年間の賃貸料収入の額の合計額が500万円以下という基準もあります。
家賃が5万円で6部屋のアパート一棟を所有している場合だと、5万円×6部屋=30万円、×12ヶ月で360万円ということになりますから、この場合はOKだということです。
◆許可を得て不動産投資を行う方法とは
上記の要件を超えて不動産投資を行う場合には、許可が必要になります。
■申請方法
まず所属している部署の上席に報告し、書面を提出して、雇用されている省庁などからの許可が得られるかどうかの判断を仰ぐことになります。
「自営兼業承認申請書(不動産等賃貸関係)」という書式が公開されているので、ここに必要事項を記入して提出します。
また、申請書以外にも必要な書類があります。
以下を準備するようにしましょう。
- ①不動産管理の委託契約書
- ②物件概要書
- ③貸借条件一覧表(レントロール)
■許可が得られやすいと考えられるケース
これはスバリ、相続による不動産物件の取得と運営です。
実家が農家などで、先祖代々引き継がれてきた土地が在り、そこに賃貸物件を建てていた場合などは、一定基準を超えているからといって、一律に禁止されてしまうことは無いようです。
それを理由にして公務員を退職させたり、規則に抵触しない割合まで売却させたりはできませんから、不動産の経営も認められやすいようです。
◆公務員と不動産投資
このように一定の条件を満たしていれば、公務員の不動産投資が一切認められないということではありません。
副業が禁止されているとはいえ、条件さえ満たしていれば可能だということです。
無論一概にはいえないところもありますが、公務員という立場は、不動産投資には向いているといえるでしょう。
不動産投資をする際には、融資を受けるのが一般的です。
この場合、公務員は非常に安定した職業という位置づけになるので、民間企業に勤務している場合より与信が高くなります。
このことから、公務員であれば融資を受ける際の金利が低く設定される可能性も考えられますし、審査自体も通りやすい傾向があるようです。
先にも述べましたが、公務員が不動産物件を維持するためには、本業に影響しないことが絶対条件です。
不動産投資物件の管理には細かいものが多岐に渡りありますが、副業が禁止されているという規定への抵触を防ぐため、管理全般の業務は管理会社に全て委託するのがセオリーです。
これであれば、消防士や海上保安官のように勤務が不規則で、なおかつ忙しい職種でも、本業に専念している間にも不動産物件が稼いでくれていることになりますから、収益性としては申し分ないでしょう。
一口に公務員といっても、国家公務員や地方公務員があり、その中でも事務職であったり、自衛隊や海上保安官のように、かなり特殊な任務に就いている場合もあります。
例えば消防士であれば与信が高くなったりということがあるのかというと、そういうわけでは無いようです。
審査する側にとっては公務員という安定した職業であるということが大切で、職種に関しては問わないということのようです。
公務員の不動産投資について、いかがでしたでしょうか。
公務員は副業が禁止されているというイメージが強いので、もしかしたら賃貸用のアパートなどの相続を断念してしまったという方もおられるかもしれません。
今回は公務員の方でも、安心して不動産物件を維持するために必要な情報に関して記載しましたが、こういった規定は正しく知ってこそ役にたつものです。
これからは公務員という立場を活かしたうえでの、不動産への投資と運用を考えてみてはいかがでしょうか。
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